毎日が読書日和ー思ったままの感想文

40歳で気付いた読書の魅力。小説から映画まで、感想を綴ります。

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 七月隆文

ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の内容 

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて―。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。 【「BOOK」データベースより】

 

 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の感想 

 映画化された恋愛小説という知識だけで、詳しい内容は知らずに読み始めました。

 

 前半部分は、大学生の主人公「南山高寿」と、同い年の「福寿愛美」の甘くてベタベタな恋愛模様が描かれており、いかにも恋愛小説といった趣でした。

 しかし、中盤に彼女の秘密が明らかになると、この恋愛小説は一気に別の側面を見せます。最後まで読み終えると、涙を堪えるのが難しいほどの感動を覚えました。

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「羊をめぐる冒険」 村上春樹

羊をめぐる冒険」の内容  

あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。

美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという一頭の羊と“鼠”の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。一九八二年秋、僕たちの旅は終わる。すべてを失った僕の、ラスト・アドベンチャー村上春樹の青春三部作完結編。【「BOOK」データベースより】

 

羊をめぐる冒険」の感想  

 鼠三部作の3作目です。この後に、「ダンス・ダンス・ダンス」という続編が刊行されます。それが、どのような位置づけになるのか別にして、鼠三部作としては、完結ということでいいのでしょう。

 

 「風の歌を聴け」は、現実の世界での物語と感じることは出来ました。現実世界の若者の心象風景を、村上春樹独特の文章で表現していました。

 それが、「1973年のピンボール」で、現実感が薄まりつつありました。特に、主人公である「僕」のパートにおいては顕著であったように感じます。

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「日本懐かしプラモデル大全」

 大人になってから、プラモデルを作らなくなりました。仕事や育児や付き合いで、作る時間がなくなったことも理由のひとつかもしれません。

 しかし、そういうことではなく、最も大事なことがありました。

 

 それは、プラモデルを作ることに対する情熱を失ってしまったことです。

 

 子供の頃、特に小学生の頃は、何故、プラモデル作りにあれほどの情熱を持っていたのでしょうか。他に、娯楽がなかったというのもあります。

 しかし、それ以上に、何かを作るという行為自体に魅力を感じていたのでしょう。

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「チルドレン」 伊坂幸太郎

「チルドレン」の内容  

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。 【「BOOK」データベースより】 

  

「チルドレン」の感想 

 5話で構成された短編集です。

 各話は、独立した物語として完結しています。しかし、どの話にも登場する人物が一人います。彼は、各話において主人公ではないのですが、最も重要な人物です。

 それが、「陣内」です。

 彼が、大学生の時の話が3話。家裁調査官として働いている時の話が2話です。

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「稼ぐが勝ち」 堀江貴文

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「稼ぐが勝ち」を読んだ感想 

 堀江貴文氏がライブドア代表取締役で、大阪近鉄バッファローズを買収しようとしていた頃に出版された本です。

 当時、彼は時代の寵児であるとともに、『ホリエモン=金』というイメージが拭えない時期でもあったように思います。成功者でありながらも、生意気で世間を敵にしているような印象です。

 その当時の本なので、自分はいかに特別な人間で、どうやってここまで成功できたのか、という自慢話に近い内容なのかなと思いながら読み始めました。

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「私の消滅」 中村文則

 「私の消滅」の内容  

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記―これを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。 【「BOOK」データベースより】 

 

「私の消滅」の感想 

 文学的ミステリーと表現すればいいのでしょうか。

 一度読んだだけでは、よく理解できません。それは、著者の表現したいことが何なのかということだけでなく、ミステリーとしてのストーリーについても同様です。

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「マルドゥック・スクランブル 排気」〔完全版〕 冲方 丁

マルドゥック・スクランブル 排気」〔完全版〕の内容  

 バロットは壮絶な闘いを経て、科学技術発祥の地“楽園”を訪れ、シェルの犯罪を裏付けるデータが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内にあることを知る。チップを合法的に入手すべく、ポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコックの奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、彼女は自らの存在証明をかけて、最後の勝負ブラックジャックに挑む。

  

マルドゥック・スクランブル 排気」〔完全版〕の感想 

「燃焼」から・・・ 

 「燃焼」は、カジノでの負けられない闘いの途中で終わっています。そして、「排気」は、その闘いの続きから始まります。

 「排気」においては、前半部分が「カジノ」での闘い。後半部分で、最終局面を迎えます。

 「圧縮」「燃焼」「排気」と続いた物語が、どのような結末を迎えるのか。

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