「希望の国のエクソダス」 村上 龍

希望の国エクソダス」のあらすじ

 2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界、経済界に衝撃を与える一大勢力に成長していく。その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった―。壮大な規模で現代日本の絶望と希望を描く傑作長編。

希望の国エクソダス」の感想 

  村上龍さんというと「Ryu's Bar 気ままにいい夜」というTV番組を思い出します。特に意味はないですが、余談です。

 それはさておき、この小説が書かれた1998年から2000年にかけての時代背景は、バブル崩壊による実害が表に出始めたくらいだと思います。実際のバブル崩壊は諸説ありますが、1990年代前半くらい。山一證券の自主廃業が1997年なので、まさしく抜け出せない不景気を実感している社会状況だと思います。

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「忍びの国」 和田 竜

 忍びの国」のあらすじ

   時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた──。破天荒な人物、スリリングな謀略、迫力の戦闘。「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。

 「忍びの国」の感想

  2017年7月1日に映画が公開されるので、映画が先か小説が先か悩んだ末に、小説を先に読みました。「天正伊賀の乱」という史実を背景に描かれているので、フィクションでありながら物語にリアリティが伴い、手に汗を握らせながら最後まで読ませてくれます。歴史小説というよりは、極上のエンターテイメント作品です。

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「チーム・バチスタの栄光」 海堂 尊

チーム・バチスタの栄光」のあらすじ

  東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回『このミス』大賞受賞、一気にベストセラー入りした話題のメディカル・エンターテインメントが待望の文庫化。(文庫上巻裏表紙より)

  東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行なっていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開をみせる。
とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め…。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。(文庫下巻裏表紙より)

 チーム・バチスタの栄光」の感想

  「感想は?」と聞かれれば、面白いの一言に尽きると思います。大学病院という医療現場におけるミステリーということで、専門用語だらけで重苦しく難解な物語を想像していましたが、全く違いました。

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「ラッシュライフ」 伊坂幸太郎

 ラッシュライフ」のあらすじ

  泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。 (文庫裏表紙より)

 ラッシュライフ」の感想

  伊坂幸太郎さんの2作目です。「オーデュボンの祈り」を読んだ後で読みました。前作でも思いましたが、伊坂さんの作品は、まるでジグソーパズルを作るような感覚です。いろんなピースがはまっていき、最後に一つの絵が完成する。物語の収束の仕方に爽快感を感じます。

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「ヒートアイランド」 垣根涼介

ヒートアイランド」のあらすじ

  渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。

 ヒートアイランド」の感想

 あらすじには「ミステリー」となっていますが、ミステリーという分類ではないと思います。「ストリートギャング」「泥棒」「ヤクザ」を絡ませたワイルドなハードボイルド小説といった感じです。

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「ツナグ」 辻村深月

「ツナグ」のあらすじ

  一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」(ツナグ)。
突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員・・・ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。
それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。(文庫裏表紙より)

 「ツナグ」の感想

  亡くなった人間との再会を果たすことができるという設定は、どこかで聞いたことのある小説の題材としてはありふれた内容だと思います。逆に言えば、ありふれた内容だからこそ、新鮮さを出すことが難しい題材だと思います。

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「オレたち花のバブル組」 池井戸 潤

 「オレたち花のバブル組」のあらすじ

  「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し付けられた、東京中央銀行半沢直樹。銀行内部の見えざる敵の暗躍、金融庁の「最強のボスキャラ」との対決、出向先での執拗ないじめ。四面楚歌の状況で、絶対に負けられない男達の一発逆転はあるのか。 (文庫裏表紙より)

 「オレたち花のバブル組」の感想

  「オレたちバブル入行組」の続編です。「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」をセットでドラマ「半沢直樹」が製作されたので、ドラマでは後半部分に当たります。

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