「69 シクスティナイン」 村上 龍

「69」のあらすじ 

1969年、この年、安田講堂事件が起き、東大は入試を中止した。アポロが月に行き、ビートルズが「アビーロード」を、ローリング・ストーンズは「ホンキー・トンク・ウイメン」をリリースした。ベトナム反戦運動が高まり、基地の町・佐世保で、僕は高校をバリケード封鎖した――。明るく楽しく生きる青春のエネルギーに満ちた日々を描いた永遠の古典。 【「BOOK]データベースより】

  

 「69」の感想

 「村上龍の作品の中でおすすめは?」と聞くと、必ず上位に入ってくる作品です。村上龍氏の実体験を基にした小説で、楽しく笑える青春小説ということです。

 作者も「これは楽しい小説である。こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろうと思いながら書いた。」と言っています。なので、期待して読み始めたのですが、残念ながら私はあまり面白く感じませんでした。

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「これからの「正義」の話をしよう」 マイケル・サンデル

 副題は「いまを生き延びるための哲学」

 原題は「Justice – What’s the Right Thing to do?”(正義―何が正しいことなのか)」

 正義に関する哲学書です。哲学と言っても、政治哲学に分類されるようです。哲学書を読むのは、全くの初めてでした。というよりも、学術書自体も、大学生の頃に授業に必要であるので、経済書(経済学部だったので)を読んでいたくらいです。

 きっかけは、NHKの「ハーバード白熱教室」で結構な話題になっていたのと、ネットでも、この書籍を推薦する記事が多数見受けられたので、いろいろな本を読むのも大切だと思い、今更ながら手に取りました。

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「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂 尊

ジェネラル・ルージュの凱旋」のあらすじ

桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。 【「BOOK]データベースより】

  

 ジェネラル・ルージュの凱旋」の感想

   実に爽快で分かりやすく引き込まれる作品です。主役の速水晃一がかっこよすぎるくらいかっこいい。ジェネラルの称号にも納得の存在感と威厳です。

 もともとジェネラル・ルージュの凱旋と、

 前作のナイチンゲールの沈黙は一つの物語として執筆されていたそうです。ただ、原稿が1,000枚を超えたため、上下巻での発刊が余儀なくされてくると、発刊元が上下巻での販売に難色(簡単に言えば反対)したため、2つの作品に分離したという背景があります。

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映画 「忍びの国」 

映画忍びの国を観てきました。

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 小説がかなり面白かった(私の感想ですが)ので、公開されたらすぐに観に行こうと思っていましたがなかなか忙しく、ようやく見に行くことができました。

 「忍びの国」はもともとオリジナル脚本として書かれ、それをベースに小説が書かれたという経緯があります。なので、映画の流れに無理がありません。原作が小説や漫画など、もともと映画の脚本として書かれていないものを映画化すると、原作を台無しにするような駄作になってしまうことも、しばしばあります。

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「ナイチンゲールの沈黙」 海堂 尊

ナイチンゲールの沈黙」のあらすじ 

小児科病棟に勤務する浜田小夜の担当は、眼の癌=網膜芽腫の子供たち。看護師長・猫田の差配で、不定愁訴外来の田口公平は彼らのメンタルサポートをすることになった。だが同じ頃、患児の父親が殺され、小夜は警察に嫌疑をかけられてしまう。さらに、緊急入院してきた伝説の歌姫に、厚生労働省の変人・白鳥まで加わり、物語は思わぬ展開に―。大人気「バチスタ」シリーズ第2弾、装いを新たに登場! 【「BOOK」データベースより】 

 

 「ナイチンゲールの沈黙」の感想

 前作チーム・バチスタの栄光の続編となっていますが、前作から9か月後の話であり、事件自体が継続しているわけではありません。東城医大を舞台にした新しい話です。

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「本を読む人だけが手にするもの」 藤原和博

 読んでみて最初の感想は、読めば読むほど納得させられる思いでした。

 この本はおそらく本を読まない人、もしくは、ほとんど読まない人に対して書かれているのだと思います。そもそも、そういう人がこの本を手にするかどうかも疑問ですが。

 それはさておき、この本はとても分かりやすい。なぜ本を読むべきなのかを、系統立てて自身の経験を基に説明しています。

 「本を読むことの必要性」「読むことによって得るものの重要性」を説いています。読むことによって得るものが重要ということは、読まないことによりそれだけ重要なものを失っているということです。

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「海底二万海里」 ジュール・ヴェルヌ

 読んだことはなくても、誰でもそのタイトルを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ジュール・ヴェルヌのSF冒険小説の傑作だと思います。何よりすごいのが、この作品が発表されたのが、1870年ということです。1870年は日本でいえば、明治3年です。明治維新の直後で数年前まで江戸時代という時代に、電気で動く潜水艦で未知の海底を冒険するという発想が生まれること自体、ジュール・ヴェルヌの非凡な才能を窺い知ることができます。

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