晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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『オリエント急行殺人事件』:アガサ・クリスティー【感想】|灰色の脳細胞が事件の謎に挑む

本年公開の映画「オリエント急行殺人事件」を観てから、小説を読みました。すなわち、犯人が分かった状態で読み始めました。何故読み始めたかと言うと、映画が映像・俳優・演技、あらゆる面において素晴らしかったので、是非原作も読もうと思った次第です。…

『ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス』:川原 礫|仮想世界から生還しないアスナを探しに・・・。

ソードーアート・オンラインの第3巻です。副題は「フェアリィ・ダンス」。第2巻はアインクラッドにおける短編集でしたので、第1巻の続編です。第1巻は病院で目覚めたキリトがアスナを探すため、痩せ細った体を引き摺り歩き出すところで終了しました。続編…

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』:東野圭吾|過去と現在が繋がり奇蹟が起こる

ミステリー小説でなく、心温まる人間ドラマです。その言葉に尽きます。もちろん、謎はあります。その謎は解かなければならない謎でなく、謎のままで存在していることが望ましい。それを追及することは意味がない。大事なのは、謎が多くの人々の人生を動かし…

『町長選挙』:奥田英朗|三度登場!とんでも精神科医「伊良部一郎」

精神科医「伊良部一郎」シリーズの第3弾。さすがに三作目になると、伊良部のインパクトは一作目ほどはありません。短編集なので、長編のように複雑なストーリー展開ができません。簡潔な起承転結に落ち着かざるを得ない部分が出てきます。それを、伊良部一…

『日の名残り』:カズオ・イシグロ|理想の執事を求め続けた人生を振り返る

カズオ・イシグロ氏が、ノーベル賞を受賞したので読みました。恥ずかしながら、そういうことです。おそらくノーベル賞がなければ、読む機会はなかったと思います。 文章がとても美しい。と言っても原文は英語なので、日本語訳が素晴らしいということになるか…

『死神の精度』:伊坂幸太郎【感想】|俺が仕事をするといつも降るんだ

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「死神の精度」の感想です。 普通の人が考える死神は、死を運ぶ不吉な存在です。しかし、伊坂幸太郎が考える死神は、まるで会社員です。取り扱う商品が「死」であり人間と異質な存在として描かれていますが、死神としての…

『君の膵臓をたべたい』:住野よる【感想】|桜良の本心を知った時、彼の心を満たしたものは一体・・・

本屋大賞第2位。2017年8月時点で累計発行部数は200万部。インパクトのあるタイトル「君の膵臓をたべたい」。さらに映画化。気になっていた小説です。あまり詳しい内容は知らなかったのですが、ジャンルとしては恋愛青春小説なのかなと思っていました。 物語…

『十角館の殺人』:綾辻行人|新本格ブームを巻き起こした「館シリーズ」の第一作

本格的ミステリーの秀作です。孤島に閉じ込められた7人の人物が、順番に殺されていく。「犯人は誰なのか?」「次は誰が殺されるのか?」緊迫感のあるストーリーに一気読みしてしまいました。ただ、30年前に発表された作品です。それを理解した上で読む必…

『アルケミスト』:パウロ・コエーリョ|夢を追い求めた少年が手に入れたものとは・・・

タイトル「アルケミスト」とは、錬金術師のことです。主人公は錬金術師ではなく少年サンチャゴです。錬金術師は、彼を導く役割を担っています。少年サンチャゴが、夢を追い求め旅をする。一言で言えば、それだけの物語です。しかし、それを通して生きること…

『関ケ原』:司馬遼太郎|天下分け目の合戦はいかにして起きたのか

映画「関ケ原」を観た後に、原作の「関ケ原」も読んでみようと思いました。本格的な歴史物を読むのは久しぶりでしたが、思い切り引き込まれてしまいました。かなりの長編なのですが、息をつく暇がないという言葉がぴったりです。小説は秀吉の死が近づいた頃…

映画「オリエント急行殺人事件」を観た

アガサ・クリスティの名作「オリエント急行殺人事件」を観てきました。 実は、私は原作を読んでいません。過去に映像化された作品も見ていません。なので、犯人はもちろん知りませんし、ストーリーもあまり知りません。 その状況で観に行ったことを前提に感…

『スロウハイツの神様』:辻村深月|最終章まで読み終えた時、感動が心に溢れる

最後まで読み終えた時、驚くほどの感動を心に刻まれました。この小説においては、物語が面白いとか上手に組み立てられているとかを論じるのは、全く意味のないことだと感じさせられます。 感動を与える。そのために書かれた小説です。 その感動は、最終章で…