晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

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『ハーメルンの誘拐魔』:中山 七里【感想】|身代金は70億

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「ハーメルンの誘拐魔」の読書感想です。 警視庁捜査一課の刑事「犬養隼人」シリーズの第三作目です。タイトルどおり、彼が追うのは誘拐犯ですが、そこには深いテーマが描かれています。 犬養隼人…

『「もっと読みたい」と思わせる文章を書く(読まれるエッセイの書き方)』加藤 明【感想】|あなたの作品が見違える

ご覧いただきありがとうございます。今回は、加藤 明氏の「「もっと読みたい」と思わせる文章を書く(読まれるエッセイの書き方)」の読書感想です。 文章を書く機会は意外と多い。仕事ではもちろん、SNSやブログでもそうです。人に何かを伝える時に文章は不…

『このミステリーがすごい!』大賞 歴代受賞作品一覧【随時更新】

第20回大賞:『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』南原詠 第19回大賞:『元彼の遺言状』新川帆立 第18回大賞:『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』歌田年 第17回大賞:『怪物の木こり』倉井眉介 第16回大賞:『オーパーツ 死を招く至宝』蒼井碧 第1…

『七色の毒』:中山 七里【感想】|善人は、たちまち悪人になりえる

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「七色の毒」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの第二作目。七つの短編で構成された短編集です。犬養の活躍もあるのですが、それ以上に人間に潜む闇の部分を浮かび上がらせる構成です。その闇を…

『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』:成毛 眞【感想】|文章力はいらない!

ご覧いただきありがとうございます。今回は、成毛 眞さんの「バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる」の読書感想です。 副題は「書く力が、人もお金も引き寄せる」です。書く力にはそれだけ大きな力があるということです。 「バズる」という言葉は、…

『Phantom』:羽田 圭介【感想】|自分たちが、追いかけてくる。自分たちに、のみこまれる。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、羽田圭介さんの「Phantom」の読書感想です。 羽田圭介さんの小説は、芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」以来です。芥川賞受賞作でありながら、読みやすくて面白かった。又吉直樹さんの「火花」とのダブ…

『切り裂きジャックの告白』:中山 七里【感想】|命を奪う者と命を守る者

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山 七里さんの「切り裂きジャックの告白」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの記念すべき第一作。警視庁捜査一課の警部補「犬養隼人」を主人公にしたミステリー作品です。 捜査一課の中でも検挙率が高く優秀な…

『1行書くだけ日記』:伊藤 羊一【感想】|やるべきこと、やりたいことが見つかる

ご覧いただきありがとうございます。今回は、伊藤 羊一さんの「1行書くだけ日記」の読書感想です。 日記を書くことは、過去に何度か挑戦しました。しかし、三日坊主とは言いませんが、長続きしませんでした。 理由は簡単で、書くことが無くなってくるからで…

『太陽の塔』:森見 登美彦【感想】|すべての失恋男たちに捧ぐ

ご覧いただきありがとうございます。今回は、森見 登美彦さんの「太陽の塔」の読書感想です。 森見登美彦さんのデビュー作で、日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。デビュー作でありながら、すでに森見ワールドが確立されています。まさしく森見作品その…

『わたしの美しい庭』:凪良 ゆう【感想】|生きづらさを抱えた人たちと、わたしの物語

ご覧いただきありがとうございます。今回は、凪良 ゆうさんの「わたしの美しい庭」の読書感想です。 五編の物語で構成されている連作短編集です。性別も年齢も立場も違う四人の視点(第一話と第五話は同じ視点)で、物語は描かれています。 物語の中心にいる…

【毎年更新】『本屋大賞』:歴代受賞作品一覧

「本屋大賞」は書店員が今一番売りたい本を投票で決める賞です。現役の書店員が勧める本だけに、読み始めるとページをめくる手が止まらない作品が多くあります。 そんな本屋大賞の歴代受賞作品を各年ごとに紹介しています。画像をクリックすると、受賞作一覧…

『リボルバー』:原田 マハ【感想】|誰が引き金を引いたのか?

ご覧いただきありがとうございます。今回は、原田 マハさんの「リボルバー」の読書感想です。 ゴッホの死の真相を描くミステリー小説で、史実をベースにしたフィクションです。 小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している高遠…

『人新世の「資本論」』:斎藤 幸平【感想】|唯一の解決策は潤沢な脱成長経済だ

ご覧いただきありがとうございます。今回は、斎藤 幸平さんの「人新世の「資本論」」の読書感想です。 中央公論新社が主催する「新書大賞2021」の大賞受賞作です。斎藤幸平さんの名前は初めて聞きましたが、略歴を見ると海外でも評価されているようです。 経…

『テスカトリポカ』:佐藤 究【感想】|われらは彼の奴隷

ご覧いただきありがとうございます。今回は、佐藤 究さんの「テスカトリポカ」の読書感想です。 第165回直木賞受賞作。麻薬や臓器売買など生々しい犯罪を描いたクライムノベルです。しかし、クライムノベルと一言で言い表せるほど単純ではありません。その理…

『戦場のコックたち』:深緑 野分【感想】|生き残ったら、明日は何が食べたい?

ご覧いただきありがとうございます。今回は、深緑 野分さんの「戦場のコックたち」の読書感想です。 2016年本屋大賞7位で、第154回直木賞候補にもなっています。物語の舞台は、第二次世界大戦のヨーロッパです。ノルマンディー上陸作戦からドイツ降伏に至る…

『黒牢城』:米澤 穂信【感想】|戦国×ミステリ

ご覧いただきありがとうございます。今回は、米澤 穂信さんの「黒牢城」の読書感想です。 第166回直木賞受賞作で、2022年本屋大賞第9位です。 舞台が有岡城で、主人公は荒木村重です。謀反を起こした荒木村重を、小寺孝高(黒田官兵衛の方が分かりがいいと…

『ラスプーチンの庭』:中山 七里【感想】|先進医療は、最愛の人を奪っていった

ご覧いただきありがとうございます。今回は、中山七里さんの「ラスプーチンの庭」の読書感想です。 犬養隼人シリーズの六作目です。命をテーマにしたミステリーは謎解きだけでなく、生きることについて考えさせられます。生と死は人間にとって答えの出ない永…

『アクセル・ワールド 5~9(災禍の鎧編)』:川原 礫【感想】

ご覧いただきありがとうございます。今回は、川原 礫さんの「アクセルワールド5~9」の読書感想です。 スカイ・レイカーこと倉崎楓子がネガ・ネビュラスの復帰しました。謎に包まれた加速研究会が表舞台に登場し、心意の存在を加速世界全体に明かします。…

「村上春樹」長編小説:出版順一覧

ご覧いただきありがとうございます。今回は、村上春樹氏の「長編小説 作品一覧」です。 村上春樹氏は、日本のみならず海外でも高い評価を受けています。ハルキストと呼ばれる熱狂的なファンも多い。ノーベル文学賞も期待されているほどです。なかなか受賞に…

『元彼の遺言状』:新川 帆立【感想】|僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る

ご覧いただきありがとうございます。今回は、新川 帆立さんの「元彼の遺言状」の読書感想です。 第19回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞受賞作です。新川帆立さんのデビュー作でもあります。新川さんは弁護士で、元プロ雀士です。興味を抱く経歴です…

『同志少女よ、敵を撃て』:逢坂 冬馬【感想】|独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、逢坂 冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」の読書感想です。 第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作です。全選考委員が最高点を付け、満場一致で受賞しました。直木賞候補にも選ばれ、2022年本屋大賞も大賞を受…

『神の悪手』:芦沢 央【感想】|この手を選びたい。たとえ破滅するとしても

ご覧いただきありがとうございます。今回は、芦沢 央さんの「神の悪手」の読書感想です。 将棋を軸にした五つの短編で構成されています。将棋の勝負を描くというよりも、将棋に関わる人たちの人生を描いています。全ての短編ではないですが、全体的に重く暗…

『華氏451度』:レイ・ブラッドベリ【感想】|本が燃える時、人も燃える

ご覧いただきありがとうございます。今回は、レイ・ブラッドベリ氏の「華氏451度」の読書感想です。 レイ・ブラッドベリ氏の代表作です。1966年に「華氏451」のタイトルで映画化もされています。映画化と言えば、マイケル・ムーア監督がブッシュ政権批判のた…

2022年本屋大賞受賞作

2021年12月〜2022年4月にかけて実施された第19回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『同志少女よ、敵を撃て』逢坂 冬馬 【得点:463.5点】 2位 『赤と青とエスキース』青山 美智子 【得点:341.5点】 3位 『スモールワールズ』一穂 ミチ 【得点:315.0点】 …

『自転しながら公転する』:山本 文緒【感想】|全部やらなきゃダメですか?

ご覧いただきありがとうございます。今回は、山本文緒さんの「自転しながら公転する」の読書感想です。 山本文緒さんの7年ぶりの長編小説で、2021年本屋大賞第5位に選ばれています。 主人公「与野 都」が、恋愛・仕事・家庭に悩みながら生きていく様子を描…

『三体Ⅲ 死神永生』:劉 慈欣【感想】|その結末を目撃せよ。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、劉 慈欣氏の「三体Ⅲ 死神永世」の読書感想です。 本作で三体シリーズが完結します。上下巻に及ぶほどのボリュームなので、読み終えるまでに結構な時間を要しました。しかし、読み進めるほどに引き込まれ、先が気…

『闇祓』:辻村 深月【感想】|あいつらが来ると、人が死ぬ。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、辻村深月さんの「闇祓」の読書感想です。 辻村深月さんの初の本格ホラーミステリー長編作品です。インタビュー記事によると、短編ホラーは「ふちなしのかがみ」と「きのうの影踏み」の2作品がありますが、長編ホ…

『八月の銀の雪』:伊与原 新【感想】|自然科学が人の心を癒す

ご覧いただきありがとうございます。今回は、伊与原 新さんの「八月の銀の雪」の読書感想です。 五篇から成る短編集で、2021年本屋大賞第6位を受賞。第164回直木賞候補作にも選ばれています。 各短編の主人公は性別も年齢も悩みも全く違いますが、皆、現状…

『ブラック・チェンバー・ミュージック』:阿部 和重【感想】|分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー

ご覧いただきありがとうございます。今回は、阿部 和重さんの「ブラック・チェンバー・ミュージック」の読書感想です。 かなりの長編作品ですが、一気読みしてしまうほど引き込まれてしまいます。重厚でありながら軽快で軽妙。登場人物たちの個性も際立ち、…

『滅びの前のシャングリラ』:凪良 ゆう【感想】|もう少し生きてみてもよかった。

ご覧いただきありがとうございます。今回は、凪良 ゆうさんの「滅びの前のシャングリラ」の読書感想です。 2021年本屋大賞第7位。本屋大賞を受賞した「流浪の月」に続き、本作も本屋大賞にノミネートされました。 1か月後に小惑星が地球に衝突し、人類が滅…