毎日が読書日和ー思ったままの感想文

40歳で気付いた読書の魅力。小説から映画まで、感想を綴ります。

「亡国のイージス」  福井晴敏

亡国のイージス」のあらすじ 

自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。祖国に絶望して叛逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。男たちの底深い情念が最新のシステム護衛艦を暴走させ、一億二千万の民を擁する国家がなす術もなく立ちつくす。圧倒的筆力が描き出す、慟哭する魂の航路。 【「BOOK」データベースより】 

 

 亡国のイージス」の感想

 上巻裏表紙には、「長編海洋冒険小説」となっていますが、冒険小説というような軽い感じではなく、数奇な過去を背負った登場人物達が、その思いを交錯させながら、海上自衛隊ミサイル護衛艦いそかぜ」を舞台に自らと向かい合う姿が描かれています。

 

 この作品は、とにかく読みごたえがありました。まず、主要登場人物が4名(私が思うところなので人によっては違うかもしれませんが)。

 

 仙石恒史(せんごく ひさし)

  海上自衛隊ミサイル護衛艦いそかぜ」先任警衛海曹(先任伍長)。

 宮津弘隆(みやつ ひろたか)

  海上自衛隊ミサイル護衛艦いそかぜ」艦長。二等海佐

 如月行(きさらぎ こう)

  海上自衛隊ミサイル護衛艦いそかぜ」第一分隊砲雷科一等海士。

 ホ・ヨンファ(許英和)

  北朝鮮対日工作員

 

 まず、登場人物の設定(個性)が、存分に引き出されています。主要4人以外の登場人物についても、その性格・考え方・思い、全てが詳細に設定され、また、それを文章の中で自然と印象付けていると思います。

 また、自衛隊所属の護衛艦である「いそかぜ」や「F-15Jイーグル」など、登場する艦船・戦闘機・潜水艦などの描写がすばらしく、物語に現実感を吹き込んでいます(ただ、専門用語が多いですが)。

 上下巻合わせて、1,000頁以上の長編なので、あらすじを簡潔に説明することもできませんし、未読の方にネタバレするのも、申し訳ないので敢えて一切書きません。

 それぞれの立場からの誇りと信念があり、それを守るために戦う登場人物たちの戦いを描きながらも、国家の在り方、国防の在り方という壮大なテーマを扱っていると思います。

 「亡国のイージス」というタイトルも好きです。作中でそのタイトルの元となったエピソードが出てきます。

 読み始めたら、一気に読み進んでいくほど、物語の先が気になります。特に、文庫の上巻の最後あたりで、一気に話が展開します。

 映画は見ていませんが、果たして、この壮大な内容の物語を2時間に収められるのかなと心配(疑問)に思います。

 戦闘機・戦艦・潜水艦などが登場する物語って、何故かワクワクするんですよね。戦争は嫌なのですが。

 今度、映画も見てみます。

 

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

    
亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)