毎日が読書日和ー思ったままの感想文

40歳で気付いた読書の魅力。小説から映画まで、感想を綴ります。

「Op.ローズダスト」 福井晴敏

Op.ローズダスト」の内容

都心でネット財閥「アクトグループ」を標的とした連続爆弾テロ事件が発生した。公安の並河警部補は、防衛庁から出向した丹原三曹と調査に乗り出すが…。

並河警部補は、捜査を進めるうちに丹原三曹とテロの実行犯、「ローズダスト」のリーダー入江一功との間にある深い因縁を知る。並河とのふれあいに戸惑いながらも、過去の贖罪のために入江との戦いに没入してゆく丹原。だが日本に変革を促そうとする真の敵は、二人の想像を絶するところで動き出していた。今、日本が戦場と化す。

かつて防衛庁の非公開組織に所属していた丹原朋希と入江一功。二人の胸には常に、救えなかった一人の少女の言葉があった。同じ希望を共有しながら、宿命に分かたれた二人。戦場と化した東京・臨海副都心を舞台に、この国の未来を問う壮絶な祭儀が幕を開けた。【「BOOK」データベース予知】 

 

Op.ローズダスト」の感想 

 読み終わった感想は、「とにかく長かった」というものでした。(どちらかと言うとあまりいい意味ではなく)

 福井晴敏は好きな作家ですし、文庫3冊に及ぶ長編なので期待して読み始めました。

 福井晴敏定番の、国防・国家の在り方を、テロリズムという要素で語っています。登場人物設定も、福井氏定番の「人生にある種のあきらめを抱き、惰性で生きる中年の男」と「過去を背負った特殊部隊の青年」とが主人公です。

 

  根底に流れるテーマと主要登場人物設定がこれまでと変わり映えしないので、すんなり入ることができる代わりに、「またか」と飽きも来ます。 登場人物の心の動きもどこかで見たことのある印象を受け、新鮮さをあまり感じませんでした。

 それ以上に、今回、気になったのは、状況や戦闘などの描写が異常など詳細すぎる点です。

 

 まず、臨海副都心が主な舞台になりますが、リアリティを出すためだとは思いますが有明インターで湾岸線を降り、国道357号線を直進する。有明橋を渡り、運河を超えると、そこはもう台場地区と青海地区が隣接する人口の島の中だった。」と書かれても、地方在住の身には全くイメージが湧きません。

 

 また、戦闘描写についても、福井氏の自衛隊や警察の装備に対するこだわりなのでしょうが、「ハンマーがファイアリングピンを叩き、M381高性能榴弾の発射薬に火が付くと、爆発のガス圧が薬室内で膨張する。三千五百psiという高圧~」と言われても、これまたイメージも湧きません。

 そういう部分を読むのに労力が注がれ読み疲れ、本筋のストーリーがぼやけてしまい、物語に移入できませんでした。

 

 また、本筋においても、周辺の戦闘シーンや状況はこれほど詳細に書きながら、物語の発端となった部分については、「古い言葉」「新しい言葉」という抽象的な表現に終始しています。

 福井晴敏らしいといえばらしい作品ですが、期待していただけに、すこし残念な気がしました。次回作に期待というところです。

 

 

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