毎日が読書日和ー思ったままの感想文

40歳で気付いた読書の魅力。小説から映画まで、感想を綴ります。

「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」 堀江貴文

「ゼロ」の内容  

堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。 【「BOOK」データベースより】 

 

「ゼロ」の感想 

 堀江貴文さんの本を読むのは、初めてです。私は、堀江さんとは同い年です。ただ、彼が球団買収やニッポン放送買収、衆議院総選挙など、世間を騒がせていた当時、とても同い年だとは思えませんでした。

 

  賛否ありますが、とてもバイタリティ溢れる人で、まさしく時代の寵児としてマスコミを騒がせていた記憶が残っています。特に、共感も反感もありませんでした。ただ、不遜な態度で相手が誰であっても言いたいことを言い、金を稼ぐためなら何でもしそうだなという印象でした。

 共感も反感もない私でも、そんな風に感じていたのだから、反感を持っている人たちにしてみれば、本当に嫌な存在だったのでしょう。証券取引法違反容疑による逮捕が報じられた時、全くの出鱈目に感じることはなく、堀江さんなら有り得るかもと根拠もなく思っていました。

 今、考えると、多分に、マスコミ報道に誘導された面もあったのでしょう。マスコミも持ち上げるだけ持ち上げて、一気に落としていましたので。

 ただ、堀江さんは、いい意味でも悪い意味でも(有罪が確定してからは、悪い印象の方が勝っているでしょう)普通の人とは違う特別な存在だと勝手に思っていました。

 

 この本は、刑期が終了する直前に刊行されています。懲役を経て、堀江さんが感じていることを率直に、しかも自伝的に書かれています。自伝的というよりは、まさしく自伝です。小説と言ってもおかしくない内容です。

 この本を読んで、堀江さんに対する印象が、今までと全く変わってしまいました。もちろん、いい意味でです。堀江さんは、特別な人ではなく、ただ真剣に生きてきただけです。ただ、そのやり方が従来の勢力にとっては不快であっただけなのでしょう。

 本書で堀江さんが言いたいことは、まさしくタイトルにすべて凝縮されています。誰でも、スタートは「ゼロ」であり、そこにイチを足していく。失敗しても「ゼロ」に戻るだけ、そして掛け算で楽をして結果を出そうとしても「ゼロ」に何を掛けても答えは「ゼロ」。まずは、小さなイチを地道に足していかなくてはいけないとうことなのでしょう。

 

落ちこぼれだった?! 

 堀江さんの幼少期、大学に入るまでの親元での生活は、決して、満たされたものではなかったようです。裕福な家庭で、適切な教育を与えてくれるような家庭ではなかったということです。どちらかというと、かなり個性的というか、子供にとって環境は良くなかったように感じます。

 そんな中で、堀江さんは、大きなふたつの出会いを果たしました。まずは、小学校3年生の担任だった星野先生。出口のない今の生活に苛立っていた堀江さんに、新たな道を開きました。堀江さんも、今の自分があるのは、星野先生だと書いています。

 そして、コンピューターとの出会いです。コンピューターとの出会いが何かに没頭することと働くことの喜びを教えたのです。

 また、必ずしも、勉強のできる優等生ではなかったということです。ただ、現状脱出のためだけに、東大に行く決意をし、そのためだけの勉強だったということに驚きを覚えました。

 

彼が大学時代に気づいたこと 

 彼は、大学生活で、「経験」を積むことが大事だと気づきます。そして、経験が「自信」の源であるということにも。そして、経験は何かに対して足を踏み出した回数。そしてその中で、小さな成功経験を積んでいくことだと。チャンスは見極めるものではなく、躊躇せず飛び込んいくということも。

 堀江氏の、バイタリティ溢れる行動力は、ここから始まったのかもしれません。

 

働くことに対する考え方 

 大学時代に起業してからの話は、堀江さんの「働く事」への価値観が書かれています。ここからが、堀江さんが本当に言いたいことです。ただ、その考え方に至る背景として、彼の生い立ちを書く必要があったのでしょう。

 例えば、やりがいについて。彼はやりがいについて、見つけるものではなく作るものだと考えています。作るものだとしたら、どんな仕事に就いていても、やりがいはあるということです。

 他にも、彼の仕事に対する考え方は、多く語られています。それらを読んでいくと、決して彼は拝金主義ではなく、仕事に対してとても真摯であるということです。そして、仕事に対し真摯であるとともに、人生に対しても真摯であるということも感じました。

 

 ただ、あまりに自分の仕事に対する考え方に拘るあまり、まわりの彼に対する評価を軽んじ、そして、それが敵を作ったと反省している部分もあるようです。

 彼が、仕事に対して、真摯であるからこそ、曲げれない部分もあり、そして、それを相手にも求めるから衝突したり反感を買ったりするのでしょう。

 それは、古い慣習や既得権益に囚われた人々からは脅威に映ったのでしょう。彼の証券取引法違反が仕組まれたものだというつもりはありません。ただ、彼がお金のためだけに犯罪を犯すような人間ではないということが、この本を読めば分かります。

 

まとめ として

 この本を読んで、堀江貴文と言う人物に対する私の評価は、全く変わってしまいました。以前は、共感も反感もなかったのですが、今はとても共感していますし、彼の言葉には、とても説得力を感じます。

 彼は決して独りよがりの独裁者ではないのだということ。そして、彼の言葉を実践することが出来れば、人生は充実したものになるということ。決して、難しいことではありません。意識の改革が重要です。

 この本には、堀江さんの考え方が名言となって多く出てきます。その言葉に共感することが出来る人は、今までとは違った世界が見えるはずです。

 そして、それは年齢に関係なく、若い世代から40代や50代、場合によっては60代以上の方々にも影響を与えることになります。

 

 堀江貴文という人物を知りたい方は、是非読んでいただきたい。私は、堀江氏が、逮捕される前に出版した本や逮捕後の本など、これから堀江さんの本を読み漁ろうと考えています。 

  最後に単行本の表紙裏に書かれていた文章を引用します。 

 

誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。

失敗しても、またゼロに戻るだけだ。

決してマイナスにはならない。

だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。  

   

 心に残る言葉です。

 

 

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