晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
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『甲賀忍法帖』:山田風太郎|伊賀と甲賀。闇に蠢く忍術の数々。

以前から読みたい本の一冊でした。初出が1958年と言うのが信じられないほど、面白い。60年近く経っていても、色褪せない。 伊賀と甲賀の忍者の戦い。 10対10の団体戦。 忍者同士の戦いで想像するのは、お互い鍛え上げた忍法を駆使し、その技量を持って勝敗を…

2008年本屋大賞の受賞作

2007年11月〜2008年4月にかけて実施された第5回本屋大賞の受賞作一覧です。 大賞 『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎 【得点:509.5点】 2位 『サクリファイス』近藤史恵 【得点:312.0点】 3位 『有頂天家族』森見登美彦 【得点:280.5点】 4位 『悪人…

『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』:沢木耕太郎|旅の終わり方を考え始めなければならない

第4巻「シルクロード」は、とにかく移動に次ぐ移動ばかりでした。その国々の深層にまで踏み込むほどの熱意や興味をあまり感じていないようでした。著者の比較対象は、香港になってしまっているようです。香港のような興奮を感じさせてくれない場所には惹き…

『つばさものがたり』:雫井脩介|レイの翼が小麦に届く

久しぶりに泣きそうになった一冊でした。天使と妖精のハーフの「レイ」。レイの姿が見え会話ができる叶夢。ファンタジー小説かなと思わせます。しかし、主人公の君川小麦に降りかかるのは、乳がんという現実的な苦しみ。夢であったケーキ屋を開店するも客足…

『ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット』:川原 礫|過去に囚われた三人が向かう先は・・・

ファントム・バレットの後半で、物語の終結です。キリトとデス・ガンの過去の因縁。シノンの心の闇。仮想世界と現実世界は必ずしも別の世界でなく、深く繋がりあっていて、それぞれに影響を及ぼしている。そのことがとてもよく伝わってきます。それは、心の…

『ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット』:川原 礫|仮想の弾丸が現実の死をもたらす

第1巻から第4巻まで続いた「剣の世界」。第4巻で、アインクラッドから続く一連の事件に終止符が打たれました。アインクラッドからフェアリィ・ダンスへと話が進むにつれ、緊迫度が下がった印象があります。以前も書きましたが、「ログアウトできない」「…

『モダンタイムス』:伊坂幸太郎【感想】|検索から、監視が始まる。

こんにちは。本日は、伊坂幸太郎氏の「モダンタイムス」の感想です。 「魔王」から50年後が舞台です。魔王の続編とも言えますが、物語が続いている訳ではありません。時間軸として魔王の延長線上にありますし、共通する登場人物として安藤詩織や潤也なども登…

定期「2018年3月(弥生)」の読書本

日に日に暖かくなる3月。3月の読書本は、10作品でした。年度末で仕事が忙しかったこともあり、あまり読めなかった印象です。今月は、同じ作家さんの本はありませんでした。 それでは、私の勝手なおすすめを。 おすすめ度★★★★★ 虐殺器官 伊藤計劃 マチネの…

『ダブル・ジョーカー』:柳 広司|結城中佐の隠された過去が明かされる

「ジョーカー・ゲーム」の第2作目。6話から成る短編集です。第二次世界大戦前から開戦に至る混沌とした時代を背景に「D機関」のスパイが暗躍する。物語自体はフィクションでありながら現実の時代背景を舞台に描かれているので、とてもリアリティ溢れる緊…

『マツリカ・マジョルカ』:相沢沙呼|彼女の命令に従う時、彼の何かが変わっていく

相沢沙呼のマツリカシリーズ第一弾。短編4編から構成される小説です。高校生の頃に読んでいれば、違った感想を持っただろう。もっと主人公である「柴山祐希」に共感できたかもしれません。だからと言って、全く共感出来ない訳でもありません。自分が高校生…

『民王』:池井戸 潤|今の政治家は、政治家としての矜持を持っているのか

ドラマを先に観ていたので、小説を読んでいて登場人物の印象がドラマの印象に引っ張られてしまいます。ただ、ドラマのキャスティングは小説のイメージに近いかなと感じたので違和感はありませんでした。 池井戸潤の小説らしく爽快感があり、読んでいて楽しい…

『マチネの終わりに』:平野啓一郎|大人の切なく美しい恋物語

主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がします。しかし、年齢を重ねたからと…