毎日が読書日和ー思ったままの感想文

本を読み、備忘録的に感想を綴るブログ。主に小説。映画もたまに。

仕事は楽しいかね?:デイル・ドーテン【感想】

「仕事は楽しいかね?」 こう問われれば、多くの社会人がドキッとする。そんなタイトルです。だから、目を引き、読んでみようと思いました。 私は、仕事を楽しいと感じていません。かと言って、辛くて仕方がないと感じている訳ではありません。朝起きて、仕…

映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を観た

ツィッターを見ていると、かなりの確率で高評価されている「フロリダ・プロジェクト」。高評価というよりも超高評価ばかりな気がします。 そこまで評価されている映画なので、あまり事前情報はなかったのですが、見に行きました。 アメリカの貧困層にいる母…

桜風堂ものがたり:村山早紀【感想】

読後は、とても優しく満たされた気分になります。 書店と書店員の物語。 しかし、単なる職業小説ではありません。本に向き合う書店員たちの暖かくひたむきな思いと、彼らの心の交流を描いています。 彼らが本を愛する気持ちが、ひしひしと伝わってきます。本…

あるキング:伊坂幸太郎【感想】

伊坂幸太郎は、作品が文庫化する時に加筆・修正することがあります。前回読んだ「モダンタイムス」もそうでした。 「あるキング」も、雑誌連載時・単行本・文庫とそれぞれに加筆修正されてます。 著者は、単行本化の書き直しの時は、本筋は同じだが、違った…

定期「2018年4月(卯月)」の読書本

桜の季節。入学や就職などで、多くの人の環境が変わる慌ただしい時期です。 4月の読書本は、8作品でした。春の暖かさの中、のんびりと読書していた気がします。 ラノベ・時代物など、いろいろです。 それでは、私の勝手なおすすめを。 おすすめ度★★★★★ つ…

謎解きはディナーのあとで:東川篤哉【感想】

2011年の本屋大賞受賞作。 1話完結の短篇集で、第6話まであります。 殺人事件を捜査するミステリー物ですが、本格的なミステリーを期待して読むと肩透かしを食らいます。 主要登場人物は、「宝生麗子」と上司の「風祭警部」、それと麗子の執事兼運転手「影…

世界を変えた10冊の本:池上 彰【感想】 

テレビで見ている池上彰さんの解説は分かりやすい。分かりやすい上に、物腰が柔らかく上品で、それでいて主張すべきことはきちんとする。今、最も充実しているジャーナリストの一人だと思います。 その池上彰さんの本を読むのは初めてです。 本のタイトルの…

忘れられた巨人:カズオ・イシグロ【感想】

カズオ・イシグロ氏の小説を読むのは、「日の名残り」に続き2作目となります。 舞台は「日の名残り」と同じくイギリスですが、時代も背景も全く違います。この作品は、ファンタジーの要素が強い。 時は6世紀頃。伝説のアーサー王の死後のイギリス。まだ、…

将棋の子:大崎善生【感想】

藤井聡太棋士の影響で注目を集めている将棋界。光の当たる表舞台で活躍する棋士たちの陰には、多くの夢破れた若者たちがいます。 奨励会というプロ棋士になるための競争の中で敗れ去り、消えていった若者たちの闘いとその後の人生を描いたノンフィクション小…

映画「レディ・プレイヤー1」を観た

原作の「ゲームウォーズ」は未読です。原作との比較は出来ないので、純粋に映画だけの感想です。 ネットやツイッターなどでは、この映画を高く評価している人が多いように感じました。 高評価の上、スピルバーグ作品ということもあり、期待度は大きい。 VRワ…

甲賀忍法帖:山田風太郎【感想】

以前から読みたい本の一冊でした。 初出が1958年と言うのが信じられないほど、面白い。60年近く経っていても、色褪せない。 伊賀と甲賀の忍者の戦い。10対10の団体戦。 忍者同士の戦いと言えば、お互い鍛え上げた忍法を駆使し、その技量を持って勝敗を決す。…

「ビートルズ・フォー・セール」(BEATLES FOR SALE):ビートルズを聴く

1964年12月4日に発売された、4枚目のオリジナルアルバム。 12月12日、ヒットチャートに初登場で第1位になっています。そのまま、9週間第1位を維持し続け、2月13日に第2位になっています。 しかし、10週間後の4月24日に再び第1位になり、そのまま、6週間…

深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海:沢木耕太郎【感想】

第4巻「シルクロード」は、とにかく移動に次ぐ移動ばかりでした。その国々の深層にまで踏み込むほどの熱意や興味をあまり感じていないようでした。 著者の比較対象は、今までの旅の中でも、特に香港になってしまっているようです。香港のような興奮を感じさ…

つばさものがたり:雫井脩介【感想】

久しぶりに泣きそうになった一冊でした。 天使と妖精のハーフの「レイ」。レイの姿が見え、会話ができる叶夢。 ファンタジー小説かな、と思わせます。 しかし、主人公の君川小麦に降りかかるのは、乳がんという現実的な苦しみ。夢であったケーキ屋を開店する…

ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット:川原 礫【感想】

ファントム・バレットの後半で、物語の終結。 キリトとデス・ガンの過去の因縁。 シノンの心の闇。 仮想世界と現実世界は、必ずしも別の世界でなく、深く繋がりあっていて、それぞれに影響を及ぼしている。そのことが、とてもよく伝わってきます。 それは、…

ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット:川原 礫【感想】

第1巻から第4巻まで続いた「剣の世界」。 第4巻で、アインクラッドから続く一連の事件に終止符が打たれました。アインクラッドからフェアリィ・ダンスへと話が進むにつれ、緊迫度が下がった印象があります。 以前も書きましたが、「ログアウトできない」…

モダンタイムス:伊坂幸太郎【感想】

「魔王」から50年後が舞台です。なので、魔王の続編とも言えますが、物語が続いている訳ではありません。ただ、時間軸として魔王の延長線上にありますし、共通する登場人物として、安藤詩織や潤也なども登場します。 主人公である「渡辺」も、安藤潤也に連な…

定期「2018年3月(弥生)」の読書本

日に日に暖かくなる3月。 3月の読書本は、10作品でした。年度末で仕事が忙しかったこともあり、あまり読めなかった印象です。 今月は、同じ作家さんの本はありませんでした。 それでは、私の勝手なおすすめを。 おすすめ度★★★★★ 虐殺器官 伊藤計劃 マチネ…

「ア・ハード・デイズ・ナイト」(A HARD DAY'S NIGHT):ビートルズを聴く

1964年7月10日に発売された、3枚目のオリジナルアルバム。 1964年1月に、アメリカで「抱きしめたい」が発売され、ビートルズの人気は爆発的に上がります。その影響で、レコードは売れに売れまくります。過去のレコードも、一気に売れ始めます。 1964年のア…

ダブル・ジョーカー:柳 広司【感想】

「ジョーカー・ゲーム」の第2作目。6話から成る短編集です。 第二次世界大戦前から開戦に至る混沌とした時代を背景に、「D機関」のスパイが暗躍する。 物語自体はフィクションでありながら、現実の時代背景を舞台に描かれているので、とてもリアリティ溢…

マツリカ・マジョルカ:相沢沙呼【感想】

相沢沙呼のマツリカシリーズ第一弾。短編4編から構成される小説です。 高校生の頃に読んでいれば、違った感想を持っただろう。読後の第一印象です。もっと主人公である「柴山祐希」に共感できたかもしれません。 だからと言って、全く共感出来ない訳でもあ…

民王:池井戸 潤【感想】

ドラマを先に観ていたので、どうしても、小説を読んでいて、登場人物の印象がドラマの印象に引っ張られてしまいます。 ただ、ドラマのキャスティングは、小説のイメージに近いかなと感じたので、違和感はありませんでした。 池井戸潤の小説らしく、爽快感が…

「ウィズ・ザ・ビートルズ」(with the beatles):ビートルズを聴く

1963年11月22日に発売された、2枚目のオリジナルアルバム。 「with the beatles」のレコーディングは、当初、7月にスタートしています。しかし、レコーディングはスタートしたものの、「Please Please Me」がヒットチャートの第1位から落ちる気配がありま…

マチネの終わりに:平野啓一郎【感想】

「大人の切なく美しい恋物語」 主人公の「蒔野聡史」は38歳。「小峰洋子」は40歳。 恋愛小説の主人公としては、年齢が高い。恋愛小説の主人公は、10代から20代くらいの若者の物語が多い。30代40代になると、不倫をテーマにした物語が多くなっている気がしま…

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド:村上春樹【感想】

「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」のふたつの世界を舞台にした物語が、交互に語られていきます。小説の構成上、交互に描かれていますので、同時進行的に語られていきます。 しかし、同時に語られているから、同じ時間軸で同時に起こってい…

コーヒーが冷めないうちに:川口俊和【感想】

2017年の本屋大賞ノミネート作品です。 読めば「4回泣けます」という通り、短篇四話から成る短編集です。過去に戻れる喫茶店を舞台に、恋人・夫婦・姉妹・親子の愛を描いた物語。 過去に戻る物語と聞くと、SF的な印象を受けます。過去に戻って、人生をやり…

「プリーズ・プリーズ・ミー」(Please Please Me):ビートルズを聴く

ビートルズの1枚目のオリジナルアルバム。 アルバムの正式名は、「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」。 二曲のヒットソングを前面に押し出しているのがよく分かります。デビューアルバムだから、目につくようにだろうか。 全14曲中、…

直感力:羽生善治【感想】

平成30年2月13日(火)に、囲碁の井山裕太氏とともに「国民栄誉賞」を受賞された羽生善治氏の著書です。羽生氏の著書は、初めて読みました。 今、将棋界は、藤井聡太(六段)の影響で、非常に注目を集めています。将棋はマイナーなイメージがあるので、注目…

深夜特急4 シルクロード:沢木耕太郎【感想】

第3巻「インド・ネパール」で、ようやく本来の旅の出発地であるデリーに辿り着きます。 デリーでの出来事は、第1巻「発端」において、既に詳細に描かれています。第4巻は、発端の続きです。デリーを出発するところから始まります。少しだけ、回想としてデ…

火花:又吉直樹【感想】

第153回芥川賞受賞作です。 純文学としての「火花」をどのように読み解いていくのか。芥川賞受賞作を読むたびに、自分自身の純文学の読解力のなさに辟易してしまいます。 「火花」においても、純文学として何が評価されたのか理解できませんでした。人の心象…