晴耕雨読で生きる

本を読み、感想や書評を綴るブログです。主に小説。

ーおすすめ記事ー
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト
タイトルのテキスト

『多動力』:堀江貴文|極端な考え方だからこそ物事の本質を突いているのかも。

 堀江貴文氏の本を読むのは3冊目になります。「多動力」は、25万部を突破しているようです。直接的で過激な言い方が多いので、賛否が分かれるのは仕方がない。ビジネス書と言うよりは、自己啓発本と感じます。堀江氏の本はまだ3冊目ですが、基本的にビジネス書ではなく全て自己啓発本だと認識しています。ビジネスの仕方ではなく、考え方の問題を提起している印象を受けます。ビジネス書か自己啓発本かは、それほど重要な問題ではないですが。

 200頁ほどですが、2時間足らずで読み終えます。堀江氏の考え方に共感できるかどうかで本の印象はガラッと変わります。私は、かなりの部分で共感できました。極端過ぎる考え方ではありますが、間違ったことは言っていないと感じます。今は極端に感じるかもしれないが、将来的には当然の考え方になるかもしれない。ただ、共感できたからと言って実践できるかどうかは別の話だと思いますが。共感できた内容をいくつか紹介していきたい。 

「多動力」の内容 

堀江貴文のビジネス書の決定版! !一つのことをコツコツとやる時代は終わった。これからは、全てのモノがインターネットに繋がり、全産業の〝タテの壁〟が溶ける。このかつてない時代の必須スキルが、あらゆる業界の壁を軽やかに飛び越える「多動力」だ。
Iotという言葉を最近ニュースでもよく耳にすると思う。これは、ありとあらゆる「モノ」が
インターネットとつながっていくことを意味する。すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果〝タテの壁〟が溶けていく。この、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる「多動力」なのだ。この『多動力』は渾身の力で書いた。
「多動力」を身につければ、仕事は楽しくなり、人生は充実すると確信しているからだ。
「はじめに」より   

肩書きをいくつ持っているのか。 

 複数の肩書を持つことにより、自分の希少性を高め価値を上げる。確かに一つの肩書しかなければ、自分の代わりはいくらでも出てくる。自分を代替性のない存在にしないと生き残れない時代は、すでに来ていると感じます。一つの仕事に専念し続ける。継続し続けることが美徳の時代は終わったということでしょう。 

 元リクルートの藤原和博さんの話が紹介されています。私は、彼の「本を読む人だけが手にするもの」を以前読みました。この本も、納得できる内容ばかりだったと記憶しています。 

全部自分でやらなければいけない? 

 物事を始める際には事前に十分に準備し、全てに全力で取り組むことが大事だと思い込んでいました。しかし、重要なのは自分にしかできない仕事だけをする。他人に出来ることは、他人に任せる。ここで、前章の代替性の話が関わってきます。自分に代替性がなければ、必ず自分しかできない仕事があるはず。それがないとすれば、大きな問題だということです。 

 そして、取り敢えず始めてみる。確かに始める前から想定ばかりを続けていれば、いつまで経っても始まらない。修正はいつでもできる。腰が重いことが、一番ダメだということでしょう。  

飽きっぽい人ほど成長する 

 「飽きっぽい」と言う言葉は、一般的には褒め言葉として使われていません。しかし、堀江氏は「飽きるということは、慣れて余裕が出てきた」と考えます。その考え方は、とても新鮮にです。 

 いろんなことにハマるからこそ、いろんなものに飽きる。そのことを繰り返せば、成長していくということです。ハマることが大事なのは間違いありませんが、大人になってから何かにハマるという経験は少なくなった気がします。それだけ好奇心を失ったということなのかも。  

自分の時間を生きる 

 自分の時間を、自分自身で生きているのか? かなり極端な考え方が書かれていますが、本質的な部分は共感できます。自分の時間を他人に奪われることが、いかに無駄で腹立たしいことなのか。自分の時間を奪われるという発想をしたことがなかったので、とても新鮮に感じます。全ての人に与えられた時間は同じです。その時間を自分のために使う。当たり前のことですが出来ていない人が多いと、彼は感じているのかもしれません。 

 実際、会社員は自分の人生の時間を切り売りして、お金を稼いでいるようなものだと思います。堀江氏の考え方を実践しようとすれば、会社勤めは出来ないかもしれません。  

知らないことは「恥」ではない 

 知識や情報を知らないことは恥ずかしいことと思い込んでいる人は、多いと思います。私も、出来れば人前で無知を晒したくはないです。しかし、知らないことは、聞くか調べればいい。単純なことですが、それが出来ない人が多いと言うことでしょう。

 仕事中にスマホで調べ物をする人の方が、よっぽど効率的に仕事を行えているということです。現実に仕事中や会議中にスマホをいじるのは、未だ難しいことではありますが。   

睡眠とストレスフリー 

 堀江氏ほどの人になると、ほとんど寝ていないのではないかと思ってしまいがちです。ショートスリーパーです。しかし、彼は睡眠をとても重要視しています。確かに睡眠不足ほど、能率を下げるものはないです。そうは言っても仕事が溜まってくると、睡眠を削ってしまいがちになりますが。 

 睡眠よりも、もっと問題なのがストレスです。彼は「やりたくないことはやらない」「付き合いたくない人とは付き合わない」と断言しています。会社員だと、なかなかそうはいかない。ただ、それに近づけていくことは可能かもしれない。そのためには、やはり自分の希少性を高め代替性をなくし、発言力を強くする必要もあるとは思いますが。  

人生に目的はいらない 

 目的を決め、それに囚われると生きることが義務になってしまう。目的を達成するために、嫌々物事に取り組んでしまう。生きていて楽しくない。楽しことだけをやっていれば、集中し何らかの結果も残る。

 確かに嫌々していたことからは、良い結果は生まれない気がします。人生もつまらない。 

最後に 

 堀江氏の考え方は、極端です。しかし、極端だからこそ物事の本質を突いているのかもしれません。最初に書きましたが、共感できるからと言って実践できると決まった訳ではありません。しかし、考え方を変革できれば、自ずと生き方も変わっていくのではないだろうか。大事なのは、古い考え方に囚われて人生を無駄にしないことだと思います。